工芸学科 学びの強み
工芸学科の特長
自分にあった素材を
早く見つけることで、
自分だけの表現を
とことん追求できる。
自分だけの表現をカタチにするうえで大切なのは、自分にあった素材に早い段階で出会うこと。工芸学科では、「金属工芸」「陶芸」「ガラス工芸」「テキスタイル・染織」の4コース制を導入しています。1年次前期では全コースの基礎を学ぶことからスタート。広い視野に立ち、ものづくりを通じて自分の適性を再認識します。1年次後期からは2コースに絞り、2年次には専攻コースを選択。自分にあった素材をとことん追求し、専門性をどこまでも深めることで、自分だけの表現を見つけることができます。
素材や技法をMIXして
新しい工芸を追究
工芸学科では専攻コース以外の素材も
学ぶことが可能。
4コースが柔軟に連携し、
自分だけの新しい工芸を追求できます。
INTERVIEW
異素材との出会いが
新しい表現への扉を開く。
工芸学科 陶芸コース田島 悦子教授
学生の頃から「私とは何か」という問いをテーマに陶芸活動を続けています。ガラスを表現素材として取り入れるようになったのは、90年代の初め頃です。視線や光を表面で受け止める陶と、吸い込んで透過してしまうガラス。「組み合わせてみよう」とわくわくしながら試したことが、「Cornucopia(コルヌコピア)」シリーズ以降の作品を生むきっかけになりました。分野の垣根を越えれば、表現の幅は広がります。自分だけの表現をめざして、多彩な素材と技法に挑戦してください。
INTERVIEW
卒業後、金属工芸に取り組める環境がなかったとき、あふれる創作意欲に任せて身近な素材を手に取ったのが異素材との最初の出会いです。以来、樹脂や粘土など、さまざまな素材を作品に取り入れるようになりました。学生時代に金属工芸の技法を学んだことは素材を思い通りに扱う力の礎になっています。知れば知るほど、扱えば扱うほど、素材は制作への選択肢を広げてくれるもの。幅広い素材に触れて、自分の表現したいことを見つけてください。
INTERVIEW
自由な校風に育まれた
作品と真摯に向き合う姿勢。
工芸学科 金属工芸コース[1998年度卒業]
増田 敏也
学部生・副手時代は金属工芸に取り組みました。いろいろな素材を試すようになったのは、副手の任期を終える頃からです。そこで、自分のコンセプトである「質感と実在感のないCGなどのデジタルなイメージを具現化した作品」をつくるなら、質感と実在感のある真逆なイメージをもつ陶が一番おもしろい素材だと感じ、活用するようになりました。工芸学科は自由さが特長です。自由であるということは、自分で考えて行動し、結果に責任をもつということ。この学科で作家に欠かせない大切な姿勢が身につきました。
7つの極超カリキュラム
未来に差がつく7つの極超カリキュラム
デザインも、デジタルも。
社会で役立つ実践力を向上。
スケッチは、プロダクトデザインを学ぶうえで重要な技術の一つです。この授業ではさまざまなものをスケッチすることを通して、自分がつくりたいもののイメージを正確に伝える力を身につけます。
- 身につく力
- スケッチのスキル
1年生を対象に、コンピュータの基本的な操作からスタートしてデジタルツールを応用できるスキルを修得。企業への就職も見据えたデザイン能力を伸ばします。
- 身につく力
- コンピュータやデジタルツールのスキル
- 使用アプリケーション
- Adobe Illustrator、Adobe Photoshop
3DCADの基本的な操作方法を修得し、物体の形状を3次元で表現するモデリングなどの技術も修得。3Dプリンターで造型する実習にも取り組み、3Dデータからカタチにするまでをトータルに体験します。
- 身につく力
- 3D CADと3Dプリンターのスキル
- 使用アプリケーション
- Rhinoceros
プロダクトデザインに必要なビジュアル表現の基礎知識を幅広く学びながら、実践的なデザイントレーニングにも挑戦。工芸分野に応用できる撮影技術、画像処理技術、ビジュアルデザイン技術などを修得します。
- 身につく力
- 画像処理スキル、デザインスキル、プロモーションスキル
自分がつくった作品を社会に発信するためには、写真撮影のスキルも求められます。写真における色彩の認識や撮影光源の性質などを実践的に学び、作品の魅力を最大限に伝えるための写真撮影のスキルを磨きます。
- 身につく力
- 撮影のスキル
素材を極める
金属・土・ガラス・布といった
素材の特性を深く理解し、
自分にあった素材を生かすデザインを徹底的に追求。
新しい表現を生み出す力を磨きます。
MATERIAL金属
金・銀・銅・真鍮・鉄、それぞれに神秘的な光沢が魅力。溶かす、叩く、切る、彫るなどの幅広い加工ができます。
MATERIAL土
岩石や粘土など大地の土が混じりあった豊かな表情が特徴。原始の頃より人間と深く関わってきた素材です。
MATERIALガラス
古代よりその煌めきで世界中の人々を魅了。無色透明でありながら、加工や色付けによって無限に表情を変えられます。
MATERIAL布
綿・麻・絹・羊毛・化学繊維などの特性を生かし、染める、織る、縫うなど幅広い表現が可能です。
INTERVIEW
あらゆる素材に触れられる
恵まれた環境を生かして
素材の可能性を探り
新しい表現に挑戦を。
思い描いたことを形にするためには、素材への理解が欠かせません。自分は何を表現したいのか。それを実現するために何をどう使えばいいのか。様々な素材と、その性質を知るほどに、思いを形にする力は増していきます。また素材と向き合うことで、創作への意欲が湧き、作ることがもっと楽しくなります。
工芸学科には多種多様な素材があり、それを自由に使うことができます。在学中に幅広く探求し、表現力を磨いてください。私たち教員は、持てる知識や技術を惜しまず伝えますが、それが全てではありません。素材の未来には無限の力が秘められています。性質や扱い方の常識にとらわれず、自由な発想で可能性を探ってください。誰も知らない素材の力を見つければ、今までにない表現も生まれるはず。工芸学科は、そのような学び方ができる場所です。
プレゼン力を磨く
作品のコンセプトや素材の魅力を的確に伝えるために、
工芸学科ではプレゼンテーションの授業を導入。
就職活動や働く現場でも求められる
プレゼン力を磨きます。
作品の意図や制作のプロセスを可視化し、プレゼンテーションする能力は、作家活動だけでなく就職や仕事の現場でも役立つスキルです。この授業ではリーフレットやプレゼン資料の制作・発表を通して、実践的なプレゼンテーション能力を養います。
INTERVIEW
技術力と美しさに定評がある
日本ならではの工芸に
グローバルな世界観を加え、
自立した作品づくりを。
日本の工芸の品質、精度、技術には、世界が注目しています。しかしいくら天才的なものをつくったとしても、人の目に触れなければ世に残りません。誰かに届け、社会化させることで制作は完結する。作品を完成させたあとに必要となるのは、それをアウトプットするための力です。自作を売り出すのに昔は実店舗が必要でしたが、オンラインで全世界に送り届けられる今なら、田舎で自然からの刺激を受けながらの活動も可能。ものづくりの力に加えITコミュニケーションの力が高まれば、セルフ・マネジメントの力も強化できます。社会でどう生き残り、どう自立していくかを、学生たちと一緒に考えたい。SNSなどの武器をフル活用して、マーケットを広げていく基本原理を伝えたい。アート・マネジメントについて学ぶことは、卒業後の活路を切り拓くことにもつながるのです。