CASE49

写真家

岡田 敦さん

「大阪での4年間がなければ、作家にはならなかったと思う」

岡田 敦

岡田 敦

▲ 卒業制作の『C o r d』はすぐに出版が決まり、『1999』は大学1、2年生時に撮影したものを2015年にようやく出版。どちらも未熟な部分はあるが大学時代でなければ撮れなかったであろう思い出深い作品

Profile

大阪芸術大学写真学科卒業。大学4年時に富士フォトサロン新人賞受賞。翌年『C o r d』(窓社)を出版。同年、写真家の細江英公氏の勧めで東京工芸大学大学院に進学。2008年、同大学院芸術学研究科博士後期課程修了。同年、若者のポートレイトを撮影した『I am』(赤々舎)で第33回木村伊兵衛写真賞受賞。2011年、根室市からの委託によりユルリ島で野生馬の撮影を開始。2014年ひとりの女性の出産の過程を追った『MOTHER』(柏艪舎)を出版。同年、北海道文化奨励賞を史上最年少で受賞。

大阪芸大で土田ヒロミ先生(元写真学科客員教授)のゼミに入ったことが、僕のその後の人生に大きな影響を与えました。土田先生には作品をつくる姿勢、被写体との距離感、作家としての生き方を間近で教えていただきました。当時、先生とは言葉ではなく写真で会話していたように思います。僕が提出した写真を先生は黙って選りわけていくのですが、その置き方で「ああ、ダメだったか」と落ち込んだり、ときに喜んだり。技術的なことでわけていたわけではないんです。卒業後に振り返って「そういうことか」と改めてわかったこともたくさんあります。

写真の道を志したのは高校卒業のとき。もともとものをつくることは好きでしたが、当時はまだカメラも持っていない遅いスタートでした。「作家にならなければ」という思いが強く、第一線で活躍していらっしゃる土田先生と須田一政先生(元写真学科教授)に師事すべく大阪芸大を受験。入学後、撮影技法を学びながら同時に出版社に持ち込むための写真集を自分で切り貼りしてつくり始めたんです。大阪芸大は街から遠く、だからこそ作品や自分の将来とじっくり向き合うには最適な環境でした。あの濃密な4年間があったからこそ、僕は作家になれたのだと思っています。

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