CASE48
イラストレーター
▲ 大阪芸大のキャンパス内にある、中村さんのイラスト壁画。女の子の羽根は15学科をイメージしたアイテムで構成されている
Profile
大阪芸術大学デザイン学科卒業。ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさしのC Dジャケットをはじめ、『謎解きはディナーのあとで』『夜は短し歩けよ乙女』、音楽の教科書など数多くの書籍カバーを手掛ける。画集『B l u e』と『NOW』は13万部を記録中。初の教則本『みんなのイラスト教室』、ぬりえブック『COLOR ME』やデビュー15周年画集『BEST』も話題に。
僕は大阪芸大で4年間を過ごした後、助手として2年間大学に残りました。大阪芸大は学科が多いから、学生間でさまざまな交流ができるのがいいですよね。僕も学生時代は映画のポスターや演劇のパンフレットのイラストを頼まれて描いていました。テーマやターゲットごとにイラストを描いたこの頃の経験は、全部今に役立っています。
たとえば小説『謎解きはディナーのあとで』の装丁画を手がけたときも、主な読者層となる女性や中高生がどうしたら手にとってくれるだろうといろいろとリサーチしました。ファンの方からは、 “神”なんて言葉をかけていただくこともありますが、「自分には才能がある!」と思えるほど、能天気ではないのです。
僕は就職しないでフリーになりましたが、当時はインターネットも普及していなかったので、情報に疎かったです。結構危険なことだったと思いますよ。社会をよく知らない分、転んで気づくことがありました。独立するにしても一度就職して、営業やお金のことを知ってからのほうが、結果的に成功への近道になるんじゃないかと思います。お金って、本当に大切! 学生相手の講演でも「このイラストで1 枚いくら」なんて話をすることもあるんですよ(笑)。
▲ イラストの線画は手描き
▲ 中村さんの仕事部屋。愛犬のぽんちゃんと
▲ ASIAN KUNG-FU GENERATION『ソルファ』© Ki/oon Music
▲ 『J-POP SUMMIT 2015』ポスター
「就職して社会を知ることは、フリーで成功する近道になるでしょう」